脇田 康裕さん
ゼミのメンバーと一緒に学外のビジネスコンテストに参加した脇田康裕さん。そこでの活動は、社会の課題を強く意識する機会になったそうです。学生向けビジネスコンテストでの取り組みについて話を聞きました。
-脇田さんがビジネスコンテストに参加したきっかけは何だったのですか?
平木先生の授業(ゼミ)ですね。先生が色々なビジネスコンテストなどに参加することをすごく勧めてくれる方だったんです。ちょうどコロナのために研究発表会がなくなってしまい、「そうなると大学3年生で頑張ることがない。どうしよう?」という時だったので、ゼミのメンバーで参加することを決めました。
学生向けビジネスコンテストとは:
提示された社会課題や企業等の課題に対し、新しい商品?サービス等のビジネスプランを考え、その内容を様々な大学等から参加するチーム間で競い合うコンテスト
-脇田さんのチームはどのようなビジネスプランを提案したのですか?
3年生の時に2つのビジネスコンテストに参加したのですが、最初のコンテストではコロナ禍がひどい時期だったので、コロナ対策となるサービスを考えました。病院やショッピングモールなどに設置したカメラで人口密度を測定し、密度が高くなったら通知を出して感染リスクを下げるといった仕組みです。
-まさにその時の社会問題を解決するものですね。結果はどうでしたか?
その時はビジネスプランの資料づくりも初めてでしたので、資料のわかりやすさや内容について改善すべき点のアドバイスももらいました。ビジネスの世界を知れておもしろかったとともに、悔しくもある経験でした。けれど、またチャレンジしたいという気持ちはありましたし、この時の経験が2回目のコンテストの参考になりました。
-2回目のコンテストではどのようなことを提案しましたか?
次のコンテストでは、保険会社から提示された「社会問題を解決できる保険サービス」というテーマに対してビジネスプランを考えました。当時、コロナの影響で失業者が増えているという社会状況にありましたので、失業者に対して保険金給付と転職支援を一体的に行うサービスを提案しました。
-その提案をどのようにつくりあげていったのですか?
世の中にどのような保険があるのかもわからなかったので、まずは情報収集に取り組みました。調べていくと色々な種類の保険があるとわかり、奥深いというか、「すごいところに足を突っ込んでしまったんじゃないか?」という気持ちになりました。まったく知識のないところから、保険に関する情報を頭に入れていくのは難しかったし、きつかったです。
その後はメンバーそれぞれがビジネス案を出し合い、最終的に失業保険に関するサービス案で進めていくことに決まりました。メンバーとはZoomやLINEグループでやり取りをしていたのですが、ちょっと空いた時間があればとりあえずZoomをつないで話をして、というようにどんどん話をする機会をつくってビジネスプランをつくりあげていきました。ゼミの平木先生からも、資料の作り方や言い回しなど、基礎的な部分をすごくサポートしてもらい、ありがたかったです。
-コンテストの結果はどうでしたか?
最初の審査を通過できるのが、参加した720チーム中の100チームだけなのですが、その中に入ることができました。このコンテストに取り組んだ二か月間は学生生活の中で一番がんばった時間だったと思いますので、それが評価されてよかったです。
-社会問題の解決策を考える経験が、社会に価値をつくり出す姿勢に寄与していったのですね。
今は建設会社で働いているのですが、会社としても建物を造るときにその姿勢は意識しています。建物が単にそれを使う人のためだけにあるのでなく、その建物があることによって地域が活性化するなど、付加価値のある建物づくりを重視しています。
昔、小学生だった頃、地元にすごく大きなショッピングモールができまして、その時に人が増えたりして街が一変したのです。「こんなに街が変わるのか」というぐらい衝撃的なできごとで、そのとき、地域のためになる働き方は素敵なんじゃないかって感じました。それが自分の考えの根元にあると思っています。
-今のお仕事にもつながっているのですね。最後に今の学生へメッセージをお願いします。
ゼミの先生は、学生自身にがんばろうという意志があれば、きちんと応えてくれます。2年生になってからは自分が興味のある分野のゼミを選び、所属することができるので、ぜひゼミの活動にがんばって取り組んでほしいと思います。