[人間社会学部]体操男子日本代表コーチの佐藤寛朗さんがゲスト講師として登壇
2024年11月29日
11月20日(水)、人間社会学部の「基礎演習」の授業で、日本体操協会男子体操ナショナルチーム強化部長の佐藤寛朗さんによる特別講義を行いました。(主催:髙橋孝徳ゼミ)
佐藤さんは現役引退後にオーストラリアへ渡り、指導者としてのキャリアをスタート。2017年からは、元日本代表である内村航平選手の専属コーチとして、東京2020オリンピック出場に貢献しました。その後は日本体操協会の男子ナショナルチーム強化部長として活躍し、パリ2024オリンピックでの男子団体金メダルを導きました。今回の特別講義は、本学人間社会学部の髙橋孝徳准教授が、東京2020オリンピック?パリ2024オリンピックで体操競技(男子)の審判員を務めたことがきっかけで、開催に至りました。
今回は「パリ2024を振り返って―男子体操チームのアプローチ」と題して、体操日本代表の金メダル獲得に向けて行った指導や、ご自身が大切にしていた意識について講演。ナショナルチームのコーチとして心掛けていたこととして「Trust?Communication?Co-design」の3項目を挙げ、選手からアドバイスを求めたくなるような存在を目指していたと語りました。
講演の中盤では、質疑応答を実施。「児童へスポーツを教えるアルバイトで、子どもにモチベーションを維持させる難しさを感じる。ジュニア選手の育成現場も視察する佐藤さんが考える、モチベーション維持のコツとは何か」という問いには、「自分がオーストラリアで指導者の勉強を始めたときに教わったのは、"Perfection"「完璧」を求めないということ。技の完成度だけではなく、体操の演技で自分が何を表現したいのか? どうなりたいのか? を追究することとして"Excellence"を大事にすべきと教わった。これを適した日本語訳にすると「自分なりの卓越した表現をすること」と捉えている。これが、体操自体の楽しさや面白さの発見につながるし、別の競技だとしても、"Excellence"は共通するのではないか」とご自身の経験を交えながら回答しました。
最後は、学生に対して「失敗を恐れるのではなく、チャレンジすることを大事にしてほしい。自分も次のシーズンからは新天地で体操に携わる予定だが、この選択が正しいか現時点では分からない。数年後に『選択してよかった』と思えるように積極的に行動することが、最終的な成功につながると思う」とメッセージを送りました。