「プロジェクト型学習」食と健康のグローバル企業へ事業提案!次代を担うビジネスパーソンを育成するCareer Experience Practicum
2023年07月06日
本学では学期ごとにさまざまなグローバル企業に協力いただき、最先端の事業運営を英語で学ぶ「Career Experience Practicum」を開講しています。
今期(2023年春学期)は、「おいしく食べて健康づくり」という志を持って100年以上前に創業し、現在は世界No.1アミノ酸メーカーとして、世界中に食と健康を届けている味の素株式会社にご協力いただき実施。2030年以降のメガトレンドを踏まえ、味の素グループが設定している4つのイノベーション領域のうち、「Food and wellness」「Green」の2つをテーマとして、味の素だからこそ可能な社会課題解決のビジネスモデルを学生たちが考え、提案を行いました。
今期の履修者は、イラン、インド、インドネシア、カザフスタン、ギリシャ、キルギス、シンガポール、スウェーデン、スリランカ、タイ、台湾、バングラデシュ、ベトナム、マレーシア、日本の15カ国の学生たち。
まずは味の素株式会社 バイオ?ファイン研究所の高倉淳さん、大川晶子さんから味の素の事業展開や今回のテーマに関して講義いただきました。人間の体の20%を構成しているアミノ酸(タンパク質)の研究に注力し、食品?アミノサイエンス?の2本の柱で国内外に幅広く事業展開していること、2030年に「アミノサイエンス?で人?社会?地球のWell-beingに貢献する」を目指す姿として掲げていること等、味の素の過去?現在?未来に関してお話いただきました。
講義の内容を念頭に、学生たちは6つのグループに分かれて課題に取り組み、グループワークの過程では味の素のお2人から適宜アドバイスをいただきながら進めました。
学生たちの提案の一部をご紹介します。
?Group 2?3Dフードプリンターであなたに最適なディナーをご提供不適切なダイエット等による栄養不足が健康にもたらす悪影響に着目したGroup2は、味の素のおいしさ設計技術?と栄養設計に関する知見を活かし、個々に最適な食事を提供するAjinomoto 3Dフードプリンターを提案。病院と連携し、ユーザーの健康状態を管理しながら個人ごとに適した食事を提供できる点(個別化栄養の考え方)が最大の魅力で、実際にユーザーが操作するソフトウェアのUIイメージを見せながら、コスト、フィージビリティ(実現可能性)にも具体的に言及。2032年までに各家庭にAjinomoto 3Dフードプリンターを普及させるという事業計画を提案しました。 ?Group 5?味の素の酵素技術を活かしたプラスチックリサイクルビジネス
世界におけるプラスチックによる環境被害は深刻であり「私たちの孫世代のレシピはプラスチックがメインの食材となるだろう」とたとえられるほど、地球全体にプラスチックゴミが増え続けている現状に課題を設定。PETなどのプラスチックを分解してモノマー化(プラスチックを構成する最小の単位まで戻す製法)し、それを用いて再度プラスチックを生産する、というリサイクルビジネスを立ち上げることを提案。鍵となるのはプラスチックを分解する酵素の開発であり、そこに味の素の酵素技術が応用できると考えました。リサイクルビジネス確立の為の種々のパートナーとの連携、将来の展開についても提案しました。
発表後、「Analysis」「Innovation」「Feasibility」「Presentation skill」「Relevance to Ajinomoto」の5つの評価軸で味の素社員の方々からそれぞれの提案を採点していただき、最優秀賞はGroup2に決定。単なるアイデアに留まらず、しっかりと市場分析を行ったうえで味の素の強みを生かした提案となったことが高評価となりました。
学生からは「国籍や背景の異なる学生同士だからこそイノベーションが生まれた。チームでやり遂げる力が身に付いた。」「ビジネス経験豊富な教授陣、味の素現役社員の方々から直接フィードバックを受けられたことが大変勉強になった。」といった声が聞かれました。
本学では学生たちが自ら課題を設定し、解決していく実践力を高めるプログラムを用意しています。次代を担うビジネスパーソンとして、即戦力となる学びを今後も展開していきます。